新生した女子校の陰に
三田国際学園という学校の教育内容を、研修などで見ることがある。
都内に縁がある人なら「どこそれ?三田高校じゃないの?」となるだろう。
正体は「戸板女子高校」だ。共学化を含む組織改革の一環として2015年に名前を変えたのだ。教育内容も革新し、次代を担う私学としてのブランディングをするために改称する。
こういうパターンはよくある。ほかにも広尾学園と改称した「順心女子学園」、渋谷教育学園渋谷にと改称した「渋谷女子」がなんかが有名だ。
2000年ごろ、少子化の影響を真っ先に喰らったのが都内の女子校で、一部の上位校をのぞき、生徒を格段に減らすことになった。どこの学校も定員に満たず、空き教室ができたという。
このとき、危機感を持った学校が大ナタを振るって組織改革した。
一見外部から見るときらきらして輝かしく思えるが、内部では結構なリストラがあったというウワサ話も聞く。まあ当然だと思うが……。
最近はICT機器の導入なんか当然になっているから、業者なんかが「先進モデル校」として紹介したりしてくるので、「こういう学校を目指せばいいのか……」と安易に思わされがちな教員もいるのではないかと思う。
しかし、その陰にはナタで切り落とされたあれこれが存在し、それがあったからこそ、強いブランディングや、教育の集中化の実現があったのだあろうこともよく意識しておくべきではないだろうか。